対談者(敬称略)
一般社団法人薬機法医療法規格協会
理事長 弁護士 寺垣 俊介
株式会社フルスピード
https://www.fullspeed.co.jp/
YMAA/KTAA団体認証取得企業
https://www.yakkihou.or.jp/system/group_certification.html
11月某日、オンラインにて行われた株式会社フルスピード(前述詳細参照)より出席の三名と当社団法人理事寺垣によるYMAA・KTAAの存在意義、そしてライセンスがもたらす広告表示の健全化についての対談内容を紹介します。
昨今、多様化する媒体の垣根を越え、広告を目にしない日はない。
規模に関わらず商品の販売、広告の出稿が可能となった現代で、どれほどの事業者、そして事業者から委託される広告代理店が「薬機法/医療法」「景表法/特商法」を理解し、商品の販売を行なっているのか。某大手飲料会社の商品が、景表法違反で措置命令を受けた事例は記憶に新しい。また、課徴金が課される事例も増えている。
当社団法人は法令を遵守する個人や企業をサポートし、広告表示のグレーゾーンと呼ばれる領域を透明化することを第一に、令和2年に設立された社団法人である。
そして、当社団法人に共感を示し、YMAA団体認証を取得した株式会社フルスピードを通して、改めてライセンスの意義を紐解いていきたい。
センシティブにならざるを得ない時流の中、「薬機法/医療法」「景表法/特商法」を懸念し念頭に置くクライアントが増加していると、株式会社フルスピード ヘルスケアマーケティング部、部長の小川さんは語る。
クライアントに十分なサービスを提供する為には、受け手に「薬機法/医療法」「景表法/特商法」の知識がなければ隠されたニーズを引き出し、満たすことは難しい。そこで、株式会社フルスピードは部署全体で資格を取得、高水準の知識を共有する集団を形成し、YMAA団体認証を有する広告代理店として、いち早く信頼度の高いサービスを展開した。新人研修に資格取得を盛り込み、資格所持者が中心に所属する部署の体勢を維持し続けている。
「薬機法/医療法」「景表法/特商法」違反での摘発は後をたたず、そして次の摘発対象となる可能性をはらむ事業者に自覚はない。そう指摘する寺垣に、株式会社フルスピードが行う、資格取得者らしい対策や学習を小川さんが紹介してくれた。
摘発事例を把握し自社の広告にフィードバック
先ず、摘発事例を迅速かつ詳細に把握する。
次に、自社の案件を照らし合わせる。
一見すると多くの事業者や企業が行う一般的な対策のように思えるが、株式会社フルスピードはライセンスを取得した集団である。専門的な知識を有する集団が、より正確に違反やその疑いを見抜き、問題点を確認できる体勢というのは、一般的というよりは、プロフェッショナル的であると言える。
ここで改めて株式会社フルスピードから対談に参加していただいた三名の方を参照したい。
多岐に渡る商材をジャンルで分け対応するのではなく包括的な管理を行い、自社サービスの強み、特色を越境させ構築する。多種多様な商材を全体で取り扱えるというのは、ライセンスを取得した集団ならではの仕事ではないだろうか。
株式会社フルスピードが手がけた、より専門性が要求されるもの、美容クリニックやエステなどの店舗型事業、ネットショップでの販売を主とするオンライン型事業、美容系機器メーカー、メイクアップコスメの広告と、まさに「薬機法/医療法」に抵触する恐れのある事業ばかりであった。
前述の事業者は、事業者自体が一定の専門知識を所持した上で営業している場合が大半を占める。
事業者──クライアントから依頼を受ける際、クライアントと同様もしくはそれ以上の専門知識を持つ人間が、ヒアリングを行い、形にしていく。案件の進行速度は、そうでない企業を優に上回ると株式会社フルスピードは自負する。
「薬機法/医療法」の遵守は社内ガイドラインにも十分盛り込まれており、社全体としてはそこから知識を得る形をとっていると奥野さん永見さんは勤勉な姿勢を教えてくれた。
尚且つ、「薬機法/医療法」チェックを社内にて行う株式会社フルスピードは、サービスの一元化を可能としている。
クライアントが自社LPを保有し利用する場面で行われる株式会社フルスピードの専門性のあるチェック、アウトラインを越えるものに対する代替案の提供は、既にそれ自体がサービスとして成り立っているとさえ言える。
クライアントから「他社ではアウトラインの指摘がなかったが、危ない橋を渡っていたと自覚できた」との声を聞く回数も少なくはないと話す。
クライアントの「グレーでも攻めたいという要望」
「利益のためにグレーゾーンを攻めたい」
このような発言を躊躇わないクライアントが存在する。
そういったクライアントに対し、株式会社フルスピードは、法令を遵守した態度で折衷案、代替案を示し、それでも尚クライアントが強い意見を通すようであれば、依頼を辞退することもあるという。
YMAA団体認証取得企業としてのこの姿勢は、クリーンなイメージを保ち、消費者と良好な関係を築きたいと考える事業者にポジティブな働きをし、事業者と広告代理店との関係をも良好にしている。
消費者のコンプレックスを刺激する脅迫広告の利益よりも、株式会社フルスピードが提供するような事業者と消費者の健全な関係性に訴える広告の利益は、結果としてより多くの利益を生むと、過去の事例を元に小川さんはデータで示してくれた。
法律面、広告面、両側面から、プロフェッショナルな技術を提供できる。
株式会社フルスピードはYMAA団体認証取得を通じて、会社としても次のステージへ進んでいる。
最後になるが、昨年2022年に発表された「ブランドセーフティツール」は広告やHPの更新を察知し、予め設定された薬機法、景表法の違法的なワードを抽出する。
https://growthseed.jp/downloads/service_materials/brandsafe/
YMAAライセンスが履歴書に記載可能な項目となれば、業界の健全化が劇的に進むだろうと株式会社フルスピードの三名と寺垣は展望する。